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相続税と控除の基礎知識

相続税と控除の基礎知識

相続や相続税のことに関しては、なんとなく面倒だし、他人ごとの様に感じている人は少なくないことと思います。

しかし、誰かが亡くなった時に一定以上の財産が遺されていれば、相続税が発生し、納税の義務も生じてきます。

「一定以上の」と書きましたが、これは相続税には非課税枠があり、それによって税金が発生するか否かの線が引かれることになるからです。

その非課税枠のことを、相続税の基礎控除と呼んでいますが、これが相続税が発生するかしないかのボーダーラインになりますので、とても重要な意味を持っていると言えるでしょう。

また、この基礎控除枠のことを知っているかいないかで、生前に取れるはずの節税対策にも影響して来ますから、相続に関わる可能性のある人には欠かせない知識です。

そこで、今回は相続税の基礎控除の概要や計算方法などについてお伝えして行こうと思います。

基礎控除の計算にはもちろん注意点もありますが、正しい知識があれば自分でも計算出来ますから、大まかな概要は掴める様になります。

ぜひ、この機会に自分にあてはめて計算してみてください。

■相続税の基礎控除とは

改正

相続とは、相続財産を遺して亡くなった人の財産などを、財産を受け継ぐ権利を有した人に包括的に承継させる法制度を指し、相続財産には「財産」だけでなく、生前の借金や権利・義務なども含まれます。

相続税は、その相続財産に課される税金です。

相続税の基礎控除とは、その亡くなった人から相続した財産の総額のうち、この金額までは非課税になると云うもの。

この基礎控除より相続した財産が少なければ、相続税はかからないことになります。

また、相続した財産が基礎控除より多かったとしても、基礎控除額を越えた分のみに相続税がかかります。

つまり、相続税を納める側に立った場合は、基礎控除の金額が高いほど相続税を払うケースが減って行くと云うことになりますが、2015年に相続税法が改正され、基礎控除の減額や、相続税の一部引き上げなどがありました。

基礎控除の減額に付いては特に大幅だったので、この改正によって今まで基礎控除内におさまって相続税を納めずに済んでいた層も、納税の義務が生じる事態となったのです。

相続税の基礎控除は、改正前には

5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)でしたが、改正後に

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)になりました。

具体的には相続人が1人と仮定して計算すると、改正前には6,000万円だった基礎控除が改正後には3,600万円となり、大幅な減額であったことがわかります。

*法定相続人について

この「法定相続人」と云うのは、民法で規定された相続人を指しますが、養子もこの中に入ります。

養子縁組を増やすことによって、相続税の非課税枠を増やせることにもなってしまうので、相続税の軽減を目的とする養子縁組を国は基本的に認めていません。

また、相続税法上の養子縁組には制限が設けられていて、被相続人(相続財産を遺して亡くなった人)に実子がいる場合、法定相続人の数に含められる養子の数は1人まで、被相続人に実子がいない場合は、法定相続人の数に含められる養子の数は2人までとなっています。

ただし、被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子となっている人や、被相続人の配偶者の連れ子(実子)で被相続人の養子となっている人などは実子として扱われるので、法定相続人の数に含めることが出来ます。

また、未成年者や障がい者が相続人となる場合には、相続税の納付税額から一定額が控除されます。

  • 未成年者の相続税控除額=10万円×(20-年齢)
  • 一般障害者の相続税控除額=10万円×(85-年齢)
  • 特別障害者の相続税控除額=12万円×(85-年齢)
  • ※控除額は税法の改正などで変更される可能性もありますから、計算する際は専門家に問い合わせるなどした方が良いでしょう。

*相続放棄した人がいる場合

相続税の基礎控除を算出する際、相続放棄があった場合でも、「その放棄がなかったもの」として法定相続人の数を数えなければなりません。

例えば、夫が亡くなって妻、2人の子が相続人となったとします。

この時子の1人が相続放棄をすれば、その子は最初から相続人では無かったとみなされますから、相続人は妻と子1人となります。

しかし、基礎控除の算出をする場合は相続放棄自体が無かったものとして、2人の子も含めた計3人を相続人とします。

つまり、相続放棄した人が居ると、放棄した人の相続分までもらえますが、その分の相続税も増える結果になると云うことになります。

尚、当然ですが、相続放棄した人は相続税を納める必要はありません。

*配偶者控除

配偶者控除とは、配偶者が相続する場合は相続分の額から1億6,000万円までを差し引くと云う制度で、これは配偶者の生活を守る為だと言われています。

配偶者控除の計算は、法定相続人各人の法定相続分に対する税額を算出しあと、実際に相続した遺産の割合で割り当て直した後に計算します。

控除額が大きいことから、これを適用すればかなり多くの人が相続税を納めなくても良いことになるでしょう。

■みなし相続財産に適用される非課税枠

ボーダーライン

みなし相続財産とは、被相続人が亡くなった日には被相続人は財産として持っていなかったものの、被相続人の死亡を原因として相続人が受け取れる財産のことで、遺産分割協議をしなくてよい財産ではありますが、相続税だけは課されます。

被相続人の死亡を原因として、相続人が財産を受け取ったいうことは、「相続で財産をもらった」ということと変わらず、この様な財産も相続財産に入れないと不公平が生じてしまうと考えられ、相続財産とみなされる、と云う訳です。

みなし相続財産は他の相続財産とは区別され、別の計算式で税額を導き出します。

そのみなし相続財産の代表例が、生命保険金と死亡退職金です。

*生命保険金

生命保険金や損害保険金の全部、或いは一部を被相続人が負担していたものが、みなし相続の対象になります。

死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません)である場合で、全ての相続人が受け取った保険金の合計額が控除額を越えた時、その越えた金額が相続税の課税対象となります。

みなし相続財産の非課税枠の計算式は「500万円×相続人の人数」となっています。

例を挙げると、相法定相続人が4人だった場合、500万円×4人=2,000万円となりますから、受け取った生命保険金が2,000万円以上なら、相続税の支払い義務が生じて来ます。

尚、この非課税枠の規定は、相続人以外の人が取得した死亡保険金などには適用されませんので、注意が必要です。

*死亡退職金

被相続人に支給されるはずだった退職金や、功労金などに準ずる給与を相続人が受け取った場合、相続税の課税対象となります。

退職金は言うまでもなく、日本の会社では慣習となっている制度です。

長く会社に勤めた人への功労金であり、老後の生活を支えるためのものですが、これを受け取る前に亡くなってしまう人も居るのが現実です。

その場合、遺族が退職金を受け取ることになりますが、それを死亡退職金と呼んでいます。

例えば、夫が亡くなって妻が会社から退職金を受け取ったとします。

この退職金は、夫が亡くなった日に於いては夫の財産ではありませんでした。

妻が退職金を手に出来たのは、夫が会社に長年勤め、死亡した結果なので、退職金=相続財産とみなして、死亡保険金と同じく相続税を課すものです。

被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべき退職金等を相続人が受けとるものとされ、被相続人の死後3年以内に支給が確定したものが相続財産とみなされ、相続税の対象となります。

非課税枠の計算式は生命保険金と同じくみなし相続財産の計算式で、「500万円×相続人の人数」となります。

また、この非課税枠の規定は、相続人以外の人が取得した退職手当金等には適用がないことも、生命保険金の場合と同じなので、注意してください。

■相続財産からマイナスできる資産

引継ぎ

相続財産には「財産」だけでなく、生前の借金や権利・義務なども含まれますから、相続財産の中に借金があれば、相続財産から借金分をマイナスして相続税の計算がされます。

また、お墓や仏壇、葬儀費用なども相続財産から除外されることになります。

ここまで相続税と、そこから控除されるものに付いてお伝えして来ました。

この中で大切になるのは、法定相続人の数と、相続する財産の概要を知ることです。

相続税は「相続が開始したことを知った日から10ヶ月以内」に申告して、現金で納付しなければならないものですから、その時になって慌てることの無い様、常から準備をはじめておくことをおすすめします。

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