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不動産を生前贈与する際 贈与税を抑えるには

不動産を生前贈与する際 贈与税を抑えるには

たとえ資産があったとしても、相続する際には相続税を納めなくてはならないなど、築いた財産をどう云う形で残して行くか、深くはなくてもちょっとなら考えたことのある方は多いと思います。

相続税には様々な控除がありますが、それを越えて課税されるような財産といえば、やはり不動産が多くなるようです。

この相続税を抑える為に比較的よく行われているのが、生前贈与です。

生前贈与できる資産は現金だけではなく、不動産にも生前贈与の道があり、むしろ不動産を絡めて生前贈与を行うと、多額の節税が可能になるのです。

ここでは不動産を生前贈与した場合の、節税効果などに付いてご紹介して行きます。

■ おすすめの不動産の生前贈与 ― 相続時精算課税制度

生前

相続と言うのは、相続財産を遺して亡くなった親族=被相続人などが居た場合に、被相続人の財産等を相続人が受け継ぐことを指します。

その際、受け継いだ財産が多ければ、それに対して相続税が課せられます。

一方生前贈与とは、所有している財産を、被相続人になり得る推定相続人に譲ることを指します。

あまり聞いたことが無いかもしれませんが、「相続時精算課税制度」という制度があります。

これは、財産を贈与する人が60歳以上の父母、又は祖父母、財産の贈与を受ける人が20歳以上で、尚且つ贈与する人の直系卑属(子や孫)の推定相続人である場合に限って適用される制度です。

この制度では、贈与する対象物は不動産に限らず現金や貴金属など、どんなものでも適用可能です。

相続時精算課税を利用すると、受贈者(贈与を受け取る人)一人につき、贈与財産の価格から2,500万円までが特別控除とされます。

つまり、2,500万円までが非課税となる訳です。

ただし、前年までに特別控除を使っていた場合は、2,500万円からすでに使用した額を引いた金額が、特別控除される額になります。

この、2,500万円までが非課税となる相続時精算課税制度では、贈与を受けた金額が2,500万円を越えた場合、越えた分に対して一律20%の贈与税が課せられます。

生前贈与でよく使われているのが、暦年課税制度と呼ばれるものです。

これは、贈与された財産が、毎年1月1日から12月31日の一年間の間に、110万円を超えた場合にのみ贈与を受けた人に対して申告・納税する義務が課されるもの。

つまり、年間で110万円を超えなければ全額が控除の対象となるので、税金を納める必要はありません。

ただし、実際の相続が発生してから3年以内の暦年贈与に関しては、相続時の課税財産として計算しなければなりません。

不動産の贈与に関しては、この暦年贈与で非課税になる金額=110万円を超えるケースがほとんどだと思われますので、相続時精算課税制度の利用がおすすめとなるのです。

また、この制度は贈与者ごとに適用できるので、例えば父からは相続時精算課税制度による課税、母からは暦年課税制度による課税とすることも可能です。

相続時精算課税制度を使って不動産の贈与をする際、その評価額は固定資産税の評価額となります。

この固定資産税の評価額が、不動産の時価よりも低いのが大きなポイント。

実際に売買される価格よりも評価額が低くなるということは、すなわち課税される際の計算の基礎となる金額が抑えられるということになります。

実際に売買した際の不動産には2,500万円を超える価値があったとしても、固定資産税の評価額がそれを下回っていれば税金を納めなくてもよく、税金を納めるにしても、税額が低く抑えられるのです。

また、贈与される不動産に借家権などが設定されている場合には、さらに固定資産としての評価額が下がります。

この相続時精算課税制度によって贈与された財産は、相続の際、課税される遺産に含めて計算して、2,500万円を超えて納税された金額は控除されます。

ただ、相続税には基礎控除がありますので、それによって課税されない場合には相続税もゼロとなります。

ただし、一度相続時精算課税制度を利用してしまうと、生前贈与を受ける際のもう一つの選択肢である暦年課税は利用できなくなってしまいますので、ここは注意が必要です。

■ 不動産の生前贈与 ― メリットとデメリットがあります

メリット・デメリット

何ごとにもメリットとデメリットがあるもの。

生前贈与に関してもそれは同じことです。

※ 相続時精算課税のメリット

・値上がりする見込みのある財産の贈与に有利

不動産などで将来価値が高まることが予想される財産なら、生前贈与をすることで値上がり分の相続税を抑えることができることになります。

・財産贈与が比較的短期間にできる

相続の際に再計算されるので、相続税の節税対策にはなりませんが、早期に多額の財産を移転できます。

・贈与する相手を決められる

相続の場合、法定相続人は相続放棄をしない限り必ず相続人となりますが、生前贈与の場合は、相手を決めて贈与ができます。

・分割しにくい財産でも生前に移転ができる

相続の場合のトラブルになりやすいのが、遺産分割に関することです。
これが上手く行かないと、相続財産の確定が出来ず、従って相続税の算出も困難になってしまう厄介な問題ですが、生前贈与であれば遺産分割協議が難しい財産も、生前に移転できるメリットがあります。
ただし、贈与された財産は特別受益とみなされますので、注意が必要です。

・収益が見込める不動産物なら相続税対策にも

不動産で収益物件の贈与をした場合、当然ですが贈与後の収益は受贈者(贈与を受け取る側の人)のものとなります。
そのため、贈与者(贈与した側の人)の収益=財産が増えなくなることで、間接的な相続税対策にもなります。

・贈与することで財産を減らして相続税を抑えることができる

収益が見込まれる不動産の贈与と同じく、財産を減らせば間接的に相続税を抑えることにもつながります。

※ 相続税精算課税のデメリット

・不動産の贈与の場合は移転コストが高くなる

土地や建物などの不動産などに関して権利の変動があった場合、法務省に対して申請をする必要があり、この時にかかる税金に登録免許税というものがあります。
いわゆる登記税のことですが、贈与されれば当然名義の変更が必要になります。
相続の場合の登録免許税は0.4%ですが、贈与の場合は登録免許税が2.0%となり、また、それとは別に不動産取得税も課税されます。

・その贈与者からの贈与は暦年課税に戻せない

先にも述べましたが、一度相続税精算課税を使ってしまうと、同じ贈与者からの贈与に関しては、暦年課税を使えなくなります。

・直系親族間の贈与に限られ、年齢制限がある

こちらも冒頭に述べましたが、相続税精算課税は贈与される人が、贈与する人の直系卑属(子や孫)の推定相続人である場合に限って適用される制度です。
また、財産を贈与する人は、贈与を行う年の1月1日に60歳以上、財産の贈与を受ける人は、贈与を受ける年の1月1日に20歳以上でなければなりません。

・贈与財産は相続時に物納できない

相続税を物納するのはよく聞きますが、贈与された財産は、物納できる対象にはなりません。

■さいごに

不動産の生前贈与をするには、申請をしなければなりません。

その際に必要な書類は少なくはなく、また内容も複雑になるので、はじめての方は司法書士などの専門家に依頼するのが一番確実な方法です。

贈与は贈る側と受け取る側の合意があってはじめて成立するもので、その認識が欠けたまま財産の管理を行っていた場合、贈与として認められないことも考えられますので、その点はよく注意して行ってください。

同じ財産でも所有者が生きている場合は生前贈与、亡くなってしまった場合には相続となります。

単なる財産の所有権の移動とも言えますが、生前に贈与として行うか、相続として行うか。

これは被相続人と、相続人になり得る人を取り巻く環境などによって変わってくることでしょう。

様々な判断をする際はどちらを取るか、よく話し合い、考えた上での決断をおすすめします。

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