記事「個人事業主のための節税について」のページです。

個人事業主のための節税について

個人事業主のための節税について

個人事業主となって所得の申告をする際に最も大切な知識は、節税を念頭に置くことです。

何故なら節税をすることによって所得が決まり、そこから計算して導き出される税額に大きな影響が出て来るからです。

ここでは税制できちんと認められている、節税に関する事柄をポイントに分けてご紹介します。

■ 経費について

電卓

所得を導き出す際に重要なのが、この必要経費と呼ばれるものです。

行っている事業によって認められるものとそうでないものも出て来ますが、まずは基本をしっかり押さえておきましょう。

うっかり計上を忘れてしまうと、収入から控除される額が減って所得が本来より増え、その結果、税額が増えてしまう結果になりかねません。

▼まず、基本的な経費の中から漏れてしまいがちなものをお伝えします。

  1. 事業税の納付額
  2. 事業で使用している車の自動車税
  3. 印紙税
  4. 借り入れ金の利子
  5. 税込経理の場合の消費税の納付額
  6. 回収不可能な債権の貸倒れ金
  7. 商工会議所などの会費
  8. 神棚や福笹代、神社への初穂料など

▼以下は経費として認められるものの、事業とプライベートとの使用割合に拠る按分(何割を事業に使用しているか)が必要なものとなります。

  1. マンションなどの賃貸料(面積などから按分を計算する)
  2. スマホや携帯の料金
  3. インターネットのプロバイダー料金
  4. 固定電話料金
  5. 電気、水道、ガスなどの光熱費
  6. 固定資産税の納付額
  7. 損害保険料
  8. 事業で使用している車の減価償却費
  9. 事業で使用している車の車検代金
  10. 事業で使用している車の車のガソリン代

▼また、経費として算入できないものも当然あり、代表的なものは以下となります。

  1. 家事消費した商品代
  2. 病院に支払った治療費など
  3. 所得税の納付金
  4. 住民税の納付金
  5. 源泉所得税の納付金
  6. 生命保険の保険料
  7. 国民年金保険料
  8. 国民健康保険料

☆尚、これらの中には経費としてではなく、所得からの控除と云う形を取るものが含まれていますので、注意してください。

* 上記は基本ですので、漏れが無い様にしっかりと計上をしましょう! *

■ 所得の分散を行う

比率

所得税に限ったことではありませんが、基本の課税所得が多い人ほど高い税率が適用されます。

経費などを計上して所得を抑えることが節税につながるのは、そう云った理由から。
所得自体は抑えるのにも限界がありますが、そんな中でも事業を運営する為に奥さんや家族などの助けを借りていた場合は、所得の分散が可能です。

これは無論、実態があっての事になりますが、経理や電話の取り次ぎなどはご家族頼みと云う方も多いと思います。
そんな場合にはそれに見合った給料を支払って、所得の分散を行うようにしましょう。

ただ、給料に付いては当たり前のことですが、世間一般的に常識的な金額である事が求められます。
電話番だけで月給が50万では、常識的とは言い難いでしょう。

申告する際に多少の手間は増えますが、それを補って余りある税額の軽減があるはずですから、ご家族の協力がある場合には、ぜひ所得の分散を行うようにしてください。

■ 一括払いしてしまう(短期前払費用)

お金

毎月継続的に支払っている家賃などの固定費については、翌年1年分をまとめて支払えば、全額を経費に入れることが認められていて、これを短期前払費用と言います。

これは、例えば期末に余剰金があって一定の条件を満たしている場合、本来は来期の経費として計上されるはずのものを前もって今季の経費として計上出来てしまうと云うもの。

つまり利益が出ている時に前払いをして、今期分の税金を節税出来ると云う訳です。

これは節税方法としては比較的ポピュラーな手法ですが、適用条件などがあるので注意しなければなりません。

* その一つは、金額が大きすぎるものは認められないと云うもの。

具体的な金額の基準がある訳では無いのですが、認められなかったケースでは、支払った金額が最終利益の10倍強だったり、金額自体が多額過ぎたり、明らかに節税だけが目的でこの制度を悪用していると判断されたケースもありました。

* 支払いの対象は、等質・等量のサービスであることが求められます。

地代や賃貸物件の賃借料、設備などの定期的な保守費用、生命保険や損害保険の保険料などが該当しますが、雑誌などの購読料はサービスに含まれませんから、受けるサービスの内容に付いては精査する必要があります。

* 毎月払うはずのものをこちらの都合で変更するのですから、契約に基づいていることも求められます。

月払い契約の家賃を契約書の変更をせずに一年分前払いをしても、それを口約束だけで行っても、もちろん適用は認められません。

不動産屋さんや大家さんから、きちんと書面で承諾書を貰う様にしてください。

* 決算月に支払うこと。

3月決算の場合は、4月から翌年3月分を3月に一括して支払えば適用されますが、2月に払った場合は適用が認められません。

* そして、これが一番大きな落とし穴なのですが、この制度は継続して行わなければならないものだということ。

前の年は黒字だったから一括して支払ったけれど、今年はちょっと苦しいから前払いはやめておこう、と云うのが認められない制度です。
一度この制度の適用を受けてしまったら、たとえ赤字であっても続けなくてはなりません。

また、最初に述べた金額の大き過ぎるものや、それが等質・等量のサービスに付いて相応しいかなどはきちんとしておかないと、後々税務調査が入った時に指摘を受けてしまうかもしれませんので、注意が必要です。

■ 青色申告で認められる経費などに付いて

会計

青色申告に関しては、税金面では有利になるけれど、帳簿を付けなければならないなどの処理面で面倒だと云うことで白色申告を選択されている方も多いかと思います。
しかし、その煩雑さを補って余りある節税面での優位性があるもの事実ですので、ここでもう一度メリットに付いてお伝えしておきます。

青色申告に認められている特例は多数ありますが、ここでは大きなもの幾つかに絞りました。

* 青色申告特別控除

事業を営んでいること、一般的には複式簿記に沿った記帳をしていること、貸借対照表と損益計算書を申告書に添付していることを条件に、複式簿記で記帳していれば65万円の特別控除を受けることができます。
これが簡易簿記で記帳していたり、一つでも要件を満たさなかった場合は10万円になりますから、その差は小さくはありません。

* 青色専従者給与の特例

これは、個人事業主が一定の要件を満たした場合には配偶者や親族に支払った給与を、必要経費に計上することが認められると云うもの。

  • 青色事業者の事業に専ら(もっぱら)従事している、生計を一にしている配偶者その他の親族に支払われた給与であること
  • 給与の支払いを受ける者の年齢が、その年の12月31日時点で15歳以上であること
  • 「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出していること

以上がその条件になります。

尚、当然ですが給与の金額や支払方法については、「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載した内容でなければなりません。
「青色事業専従者給与に関する届出書」は、個人事業の開業時期に応じて提出期限が定められていますので、それについても注意してください。

* 純損失の繰越控除

これは、青色申告をしている個人事業主であれば、事業で出た損失を翌年以後3年間にわたって繰越して、翌年以後に生じた黒字額と相殺することができるというもの。
赤字が発生した年度に期限内に青色申告していることや、損失が発生した年度の翌年以降も連続して申告している必要がありますが、これによって支払う税金の額を大幅に減らすことができます。

* 貸倒引当金の繰り入れ

「売掛金」や「受取手形」が、相手先が倒産することなどにより回収できないリスクを、予め計上してしまえるというもの。

あくまでも回収できない可能性に対する保険の様なものといえますが、実際に計上できる要件や繰入できる金額の計算は決められた率があります。

* 少額減価償却資産の特例

青色申告では、30万円未満の減価償却資産を購入した場合、その取得価額を全て経費・損金として算入することが認められています。

ただし、事業年度中に購入した少額減価償却資産の取得金額を全て合算して、300万円までが対象です。
(※「少額減価償却資産」は平成28年3月31日までに購入して使い始めていなければならない期間限定の特例です。)

■ 小規模企業共済制度・倒産防止共済制度

小規模企業共済」は、個人事業主や小規模企業で働く人の廃業時の退職金を、あらかじめ準備しておくための共済制度です。

これに加入して納付した掛金は、「小規模企業共済等掛金控除」として、課税対象となる所得金額から控除することが出来る上、納期間が1年以内の前納掛金に付いても、全額を支払った年の掛け金として所得控除することができます。

倒産防止共済」は経営セーフティ共済と呼ばれるもので、取引先の倒産時に、必要な資金を融資をしてくれる制度です。

引き続き1年以上事業を行っている中小企業などが加入でき、掛金は全額損金に算入することができます。

■ 法人化

法人化した場合、個人事業には無い節税のメリットも出て来ます。

役員報酬の給与所得控除や、中小法人の特別控除、生命保険と退職金を使った節税も出来るようになりますが、法人化した場合は、経理をしっかりしなければならないので税理士と契約する必要も出て来るでしょう。

相応の所得がなければメリットを効果的に使うことも出来ませんから、こちらは将来の課題として検討しておけば良いかもしれません。

ここまで個人事業主のための節税についてお伝えして来ましたが、読んでいただければ必ずあてはまる節税ポイントが見つかったことでしょう。

賢く節税して事業の一助としていただけたらと思います。

LINE@友達募集中

メールでのご相談はこちらから

お問い合わせ:03-5790-5530
メールでのご相談はこちらから